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教育再生会議第5次提言についてーメモ

[ 7月3日、教育再生会議第5次提言「今後の学制の在り方について」が公表されました。取り急ぎ感想をまとめてみました。しかし、教育関係の方々は、ぜひ原文に当たって吟味していただきたいと思います。]

(1)6・3制の弾力化も5歳児教育の義務化も方向としては賛成。ただいずれも財源などで実現は至難。緩やかに地域ごとに進むかも。ただ学校は制度変更で良くなるものではなく中身が大事であることは基本。

6・3制から「5・4制」など小中一貫への移行は、現在行われている中高一貫校「中等教育学校」と基本的には同様な位置づけか。自治体が選択といっても、実施には莫大な費用がかかり、そう簡単には進まないだろう。ただ、少子化に伴う学校統合の機会に、というのはありうる。

地域ごとの6・3制の柔軟化は、日本の公教育の硬い構造を崩していく上で賛成。とくに、全国一律の詳細過ぎる学習指導要領の柔軟化につながる点で。ただ、表には裏も必ずあり、小中一貫校が増えれば学校選択制が拡がることにもなり、学校間格差が強くなることも起こりうる。また、理由に挙げられている中1ギャップは付けたしの感で、実質は発達の早期化のもとで初等中等教育の高次化(「世界トップレベルの学力」)が狙いだろう。下手をするとエリート志向が強まる。

(2)5歳児教育の義務化と幼児教育の抜本的充実は全面的に賛成。子ども支援策の緊急性から、莫大な費用がかかるにせよこれは現実性を持つと思う。すでに消費税からの7000億の投入が決まっており、段階的に追求されていくだろうし、仕事と子育てで苦労している母親や家庭に歓迎されるだろう。5歳児教育の義務化は、世界的に見てまだイギリスなどごく一部で、これが実現するとまさに教育立国の名に値するものとなる。

今後、幼保一元化、幼児教育と保育との統合など課題はまだまだ残っている。しかし、これについては、無藤隆氏をはじめ関係専門研究者の長年の奮闘が実りつつあるものと言え、既得利害を超え前に進むことが大事ではないか。

(3)教員養成に関しては遅遅として進まない小高学年の専科化には有効。すでに中教審で小中免の見直しが始まっている。ただ、小と中の免許を分断させない智恵が必要。日本の教師の質は小教師の高水準に支えられていることの繰り返しの確認が不可欠。欧米では日本よりずっと初等教育教師のステータスが低い。

教師インターン制については、当初の学卒=仮免を前提としたものではなく、「採用前又は後に学校現場で行う実習・研修を通じて適性を厳格に評価する仕組み(教師インターン制度(仮称))」とトーンダウンしたよう。これは当然。どだい、一気に新採用教員を仮免でなど現実性を持たない。逆に、教職大学院の充実が明示されているのは歓迎。

政権復活前から自民の部会が主張していた人確法に次ぐ教師の処遇改善も盛り込まれているが、財務省の壁は厚いだろう。OECDの先日のレポート等が追い風になるといいが。

(4)6・3制見直しの影に隠れているが、高校での職業教育の重視(職業教育を行う専門高校)や新しい高等教育としての職業教育機関の創設が謳われている。こちらは6・3制より現実性があるし、緊急度が高い。もっと職業高校を増やしそれにスポットライトを当てるべきだ。新しい高等職業教育校もしっかり作られると有益だ。

(5)もう一つ目立たないが、不登校生のためのフリースクールについて「その位置付けについて、就学義務や公費負担の在り方を含め検討する」とあるのは注目される。先行きは難問だが、こうした文書に明言されたことに意義がある。

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プロフィール

村山紀昭

Author:村山紀昭
長い間、北海道教育大学で哲学を教え、1999年から私大を含めて10年間学長をつとめました。
退職後、教育と福沢に関する月1回の勉強会「教育人間塾」を続けるとともに、文科省の委員会委員や北海道教育委員会のアドバイザーとして、教育政策とくに教師教育政策に関わってきました。
平成26年4月からはフリーなスタンスで教育や福沢について思索する日々です。
趣味は音楽とオーディオ、クラシックと初期ジャズが好き。

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